■■■  自治体学  ■■■

 既成の学問は「国家」を理論前提とする「国家学」です。
 自治体学は「国家統治を市民自治へ」「中央集権を地方分権へ」「行政支配を市民参加へ」組替える実践理論です。「実践を理論化し理論が実践を普遍化する」市民自治の理論です。
シンポジュウムの司会
(カテゴリー: 自治体学とシンポジュウム
「シンポジュウムの司会」

シンポジュウムの意味
 80年代から「シンポジュウム」や「パネル討論」が盛んに開催されるようになった。シンポジュウムは花盛りである。現代社会は前例のない重要課題が次々と生起するからである。
 「何が問題であるのか」「打開の糸口と手立ては何か」は誰にも明瞭には見えていない。見えていない課題であるから「文殊の智慧」で討論して模索するのである。シンポジュウムは「問題の真相は何か」「解決の糸口は何か」を見出す場である。人集めのイベント行事ではない。  
 その問題に精通・見識・経験ありと思われた人が選定されて討論者として登壇するのがシンポジュウムである。
 ところが、参会者が「期待外れであった」「退屈でつまらなかった」と呟きながら帰途につくシンポジュウムが実に多い。残念至極なことである。
 なぜそうなるのか。 

司会の役割
 「期待どおりであった」「内容が良かった」「来て良かった」のシンポになる要因は何か。「司会」である。「シンポは司会次第」である。
 最初に10分乃至15分の発言をひとわたりさせる進行が多い。その間、司会は発言を促すだけである。15分で四人なら60分である。二時間のシンポならば半分の時間である。その間、会場内は沈静し活気なく知的興奮もない。交論のないミニ講演である。「つまらなかった」になるのは必定であろう。
 司会の役割は、参会者の思考回路を全開させ会場内に知的興奮と緊張感を喚起することにある。司会は単なる進行役ではない。
 登壇者には用意してきたメモを見ながらの発言をさせない。その場で考えて討論をしていただく。シンポジュウムは一般論を聞く場ではない。討論する場である。司会の役割は発言を噛み合わせることにある。
 例えば、開始前の打合せで「今の所見に対して貴方の意見を言って下さいと言いますから」「他の方の発言をよく聴いてください」「考えてきた文章メモはこの場で破り捨てて下さい」「壇上で聴いて考えたことを発言して下さい」と言っておく。同様に司会も発言を聴き「論ずべき点」を随時 (討論が逸れたときに) 呈示する。それが出来なければシンポの司会は務まらない。
 例えば、司会が論点を示して「所見」を求めて「只今のご所見に賛成ですか」「補足することがありますか」「異なる見方の意見でしょうか」と訊ねる。訊ねて発言を促す。シンポは真剣勝負である。勝ち負けではないが緊張感が必要である。その真剣な所見の交錯が会場内に知的興奮を醸し出すのである。そしてときには爆笑で会場が和むのである。
 シンポの成否は司会のユーモアと機智の才覚次第である。

時間管理
 司会の役割は二つである。
一つは発言を噛み合わせて交論をさせる。二つ目は時間管理である。
 一回の発言を短くして発言回数を多くする。各人の発言時間をなるべく均等にする。冗長な発言を遮るのも司会の役割である。著名な大物であっても怯んではならない。会場発言を認めるときは事前に時間を示して冗長発言を制止する。巧みに時間管理ができて司会である。「時間がありませんので」の連発は見てよいものではない。
 シンポの成否は参会者が会場から出てくるときの表情に示されている。
 その表情に示される「満足の内容」も考察するべき問題であるのだが、「発言者の選定・人数」「会場設営」「会場討論」などと共に後日に述べる。
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