■■■  自治体学  ■■■

 既成の学問は「国家」を理論前提とする「国家学」です。
 自治体学は「国家統治を市民自治へ」「中央集権を地方分権へ」「行政支配を市民参加へ」組替える実践理論です。「実践を理論化し理論が実践を普遍化する」市民自治の理論です。
道州制
(カテゴリー: 市町村合併と道州制
 道州制とは何か

 道州制とは47の都道府県を8か10の道または州に統合する構想である。
1927(昭和2)年の「州庁設置案」は内務省の統治体制強化策であった。
1957年の「地方制案」は地方制度調査会でも論議紛糾の集権体制強化策。
1969年の「道州制構想」は財界提出の府県合併案であった。
どの案も、統治体制・集権体制の強化構想であった。
現在では、統合した道・州が「国の総合機関」であるか「自治体」であるのかの論議は終わっている。しかしながら、これまでの「府県統合案の経緯」を眺め返せば、如何なるものに帰趨するかは未だ不定である。楽観してはなるまい。 

道州制の論点
 第一は「何のための道州制であるのか」「如何なる利点があるのか」である。
インターネットを開けば「道州制の利点」が夥しく列挙されている。道州制にしなければ日本国は大変な事態になるとも書いてある。
しかしながら、ここに列挙してある事柄が、道州制になれば実現するとは思えない。絵空事を列挙しているとすら思える。なぜならば、市町村合併のときにも「合併のメリット」が様々に列挙された。
「財政基盤が強化され、行政サービスの水準が充実し、地域のイメージアップになり、広域的観点からの公共施設の効率的配置が可能となる」などの利点が喧伝されて、3200の市町村が1800に減少した。
市町村合併の当初に喧伝された利点が、現在どのように実現されているかを検証せずして、道州制の利点を列挙するのは如何なる心底であるのか。

 第二は「現在の府県のどこが良くないのか」である。
府県は明治以来の制度で「古くなったから」は理由にならない。如何なる不具合が生じているのかを具体的に明晰に述べて、道州制に改めるとそれらが解決するか否かを論ずべきである。

 第三は「省庁官僚が権限と財源を手離すのか」である。
 言葉でならば「誰でも何とでも」言う。しかしながら、市町村合併のとき、首相も官邸も「三位一体改革」の決意を語ったではないか。だが結果は木阿弥であった。現在の日本は「官僚内閣制」である。「国会内閣制」になっていない。大臣は官僚の操り人形である。昨今の外郭団体の改廃が示しているではないか。
「道州制への改革」は官僚集団が応諾しないから「府県合併」で収束するであろう。
 北海道庁のホームページには実に沢山のことが書かれている。だが肝心要のことは書かれていない。首相から依頼された「道州制構想」であるのだから、二重行政の象徴である「北海道開発局」の統合はもとより「各省庁の権限・財源」の委譲を大胆に掲げるべきである。だが、北海道庁で論議されている道州制構想案は「北海道特区としての構想」である。道州制構想の論議ではない。「現実可能な権限委譲案」の論議である。すなわち、省庁官僚の感情を損なうことを極度に恐れての論議である。北海道庁の論議が「僅かの権限委譲の特区案」であるのは「省庁官僚が如何に強大で恐れられているか」を物語っているのである。

 第四の論点は「道州制移行の手順」である。
 道州制の論議を歪(いびつ)にしているのは「省庁官僚」だけでない。「国会議員」もホンネでは「権限と財源を道州に移す」ことに賛成しない。選挙区に利益誘導するには中央省庁に権限財源があるのが良いと考える所謂「政治屋議員」が多いのではあるまいか。したがって道州制は「単なる府県合併」に終息するであろう。そこで「手順」の論議が重要になる。現在の都道府県に先ず「権限・財源を委譲して」、その次に「府県統合の手続に入る」である。
けっして、「権限・財源を道州に移管するから先ず府県が統合して」の手順に騙されないことである。そしてまた「全国同時に、同一内容で」の法律にさせないことである。各地域で多様に道州制を構想し検討して「試行的に移行する」のが良い。利害の話しが纏まったところから道州に移行すればよいではないか。

道州制の真の意図 
「3200の市町村を1000に」「47の都道府県を10に」は、何を物語っているのか。国家による「地方管理体制」の再編強化策である。
 共謀罪、盗聴法、戦争協力法、改憲、集団的自衛権などと「軌を一にする」ものである。札幌市が作成している住民避難計画は「戦争への心の動員」である。
安穏楽観してはなるまい。         
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック