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■■■  自治体学  ■■■

 既成の学問は「国家」を理論前提とする「国家学」です。
 自治体学は「国家統治を市民自治へ」「中央集権を地方分権へ」「行政支配を市民参加へ」組替える実践理論です。「実践を理論化し理論が実践を普遍化する」市民自治の理論です。
自治体議会の改革ー会派の弊害
(カテゴリー: 自治体議会の改革
  自治体議会の改革  

1議会不信
選挙の翌日に、有権者は「陳情・請願の立場」に逆転して、首長と議員は「白紙委任」の如く身勝手にふるまう。そのため、行政と議会に対する市民の不信は高まり、代表民主制度が形骸化し「議会不要論」の声さえも生じている。
選挙は「信頼委託契約」であって「白紙委任」ではない。身勝手な代表権限の行使運営は「信託契約違反」である。
 北海道議会では「質問と答弁」を事前にスリ合わせる「答弁調整」を本会議でも委員会でも続けており、世間から「まるで学芸会だ」と批判されている。
 北海道議会も札幌市議会も議員の年間収入は2000万円を超えており「金額にふさわしい議員活動をしているのか」の批判がある。 行政不信も根強く存在する。
 例えば、北海道庁も札幌市役所も「職務よりも昇進」の人事制度になっており、課長以上の幹部職員は2年で異動する。腰を据えて職務に専念する人事制度になっていない。だが、知事も市長もその状態を改めようとしない。
職員も「上役の意向」を忖度して仕事をしているから「どちらを向いて仕事しているのか」との批判が根強くある。
 これらが行政不信・議会不信の根源にある。

2 議会改革の論点
①議員不信と議員特権
議員不信の主要な原因は「何をやっているのか」が分らないことである。議員は当選したその日から「異なる世界」の人になる。新人議員も次第に『議員』に化身する。議員になる前に「改めるべきだ」と言っていた「議会改革の問題点」も「二枚舌の思考回路」で正当化して自己弁護するようになる。初心を堅持する議員も存在するが例外的少数である。大抵の議員は有形無形の不利益・圧力に妥協して『議員』に変身する。『議員』に変身するのは、(議員になってみれば分かることのようだが) 積年の慣例が形成してきた「議員特権」に捕り込まれるからである。
「議員を稼業とする人は必要なのか」「市民感覚のある普通の市民でよいではないか」「殆ど何も活動しない議員が世間並み以上の年所得を得ているのは妥当なのか」との批判と疑問がある。これが改革の論点である。

②議会開催日
 日本の殆どの自治体議員は高齢の男性議員である。女性議員は極めて少ない。年齢も性別も職業も、議会は地域を代表していない。住民代表議会とは言えないのが実態である。子育て中の年代の人は、議会開催日が平日だから当選しても議員は勤まらない。家計を担う立場の人は「議会開催が夕刻と休日」に改まらなければ立候補できない。家計収入の働きの後の時間で議員活動が出来る制度に改めなくてはなるまい。この制度改正は現在の議会で決議すれば出来るのだが、現在の議員が特権を守るために改めない。改めないから「議会不信」は高まり「議会不要論」が増大するのである。
女性議員を増やすには、女性有権者の全員が(暫くの間は) 女性候補者に投票すれば全員がダントツで当選する。そうすれば、次の選挙には女性候補者が増えて再び全員が上位当選する。かくして「フィンランド議会」や「ルワンダの議会」のように「半数は女性議員」になる。

③議員の数と報酬
現在、全国的に「痛みを共にして」の言い方で、議会が議員定数を減らしている。だが「議員の数を減らす」のではなくて「議会不信と議員特権を改める」ことである。議員の数が減るのを喜ぶのは首長と幹部職員である。定数減は議会の監視力を弱める。監視力低下のツケは住民に還ってくるのだ。住民が定数減に賛同するのは「議会不信」が根底にあるからだが、それは浅慮である。経費のことを言うのならば「議員報酬を日当制」に改めることである。この意見に議員からは「日当制では人材が集まらない」「成り手がいなくなる」との反論がある。
 北海道議会は定数106名である。札幌市内選出の道会議員は 28 名である。この現状に対して「政令市は府県並の権限だから札幌区域は各区一名くらいでよい」「人口割定数に合理性はないのだ」「その分を過疎地域に割り振るのもよい」との意見がある。
現代社会は「NPO活動の市民感覚」が「議員特権の議員感覚」を超えているのだから「職業議員が必要であろうか」「市民感覚のあるアマチュア議員がよい」の意見もある。

④政務調査費
 政務調査費を「全員に同額を前渡する」のは「公金詐欺取得」になりかねない(現になっている)。「調査活動の実費」が必要であるのなら、使途明細と証票を添付して「事後に請求する制度」に改めることである。事後請求を「面倒だ」の理由で改正を拒む議員は「公金への感覚麻痺」である。それが「議会不信」の原因であり「議会不要論」の遠因である。

3 議会の会派
会派とは、議長、副議長、常任委員長などの役職配分を獲得するための「集まり」である。「政策会派」は名ばかりで、実態は「便宜と利害」の集まりである。会派害悪の第一は、(密室取引のボス議員)が「会派決定」の名目で議員の評決権を拘束することである。議員の評決権は議員固有の権利であり責務である。議員はそれぞれが選挙で所見を披歴し有権者と信託契約を結んだのであるから「会派決定に縛られる議員」は有権者に対する背信である。「会派決定」を「評決権」の上位と考える議員は失格議員である。議案ごとに会派を超えて連携して評決するのが議員本来の責務である。 

4与党と野党
中央政治の政党系列を自治体議会に持ち込むのは間違いである。自治体議会は「議院内閣制の国会」とは制度原理が異なるのである。自治体は二元代表制の「機関対立制度」であるから、自治体議会に与党・野党が存在してはならない。議会の全体が執行部と向かい合うのが自治体議会である。「与党だから批判質問をしない」という議員は「制度無智」であり「有権者への背信」である。
「オール与党の馴合い」も「感情的に対立する」のも、議会制度の自殺行為である。最近「機関対立制度」を誤認して(意図的に誤認して)、「議会基本条例の制定」が急速に広がっている。
 
5議会の慣例
諸悪の根源は因循姑息の議会慣例にある。「密室取引の慣例」が不透明議会(議会不信)の根源である。
今や自治体議会は「不信」の代名詞になっているのである。「議会ほど信用されていないものはない」と言われている。
 今回(2019-5-13)の、札幌市議会本会議空転の真相は密室取引の(会派交渉)にある。

「まちを愛する普通の市民」が議員になれる制度に改めなくてはならぬ。議会開催を「休日と平日の夕刻」にして「普通の人が立候補できる制度」に改める。これが議会改革の第一歩である。有権者も「目先利益の住民」から「公共性の意識で行動する市民」へと自身を成熟させねばなるまい。





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