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■■■  自治体学  ■■■

 既成の学問は「国家」を理論前提とする「国家学」です。
 自治体学は「国家統治を市民自治へ」「中央集権を地方分権へ」「行政支配を市民参加へ」組替える実践理論です。「実践を理論化し理論が実践を普遍化する」市民自治の理論です。
NHK政治報道の政権癒着・迎合に抗議する
(カテゴリー: 民主主義
放送法を遵守し“自主・自立”の報道を
~NHK政治報道の政権癒着・迎合に抗議する~
2018年11月16日
NHKとメディアの「今」を考える会

「アベチャンネル」と心ある視聴者・市民から揶揄されているように、最近のNHK政治報道の政権寄り、「政府広報化」は目に余るものがあります。NHKは、優れたドキュメンタリー(毎年8月に集中して放送される、戦争の歴史的事実に目を背けず平和の大切さを訴える特集番組、NHKスペシャル、ETV特集など)、日々放送される教育・福祉番組などで視聴者の高い信頼を得ています。それだけに、政治報道の偏向は公共放送の評価を貶めるもので、受信料を支払うNHKの支え手・視聴者としては残念でなりません。
私たちは、放送法に則り、「何人からも干渉されず、政治的に公平な政治報道」をNHKに強く求めます。

 私たちは、次のような事例を政権寄りに偏向し、政治的公平を欠く報道と受け止めています。
8月26日午後、NHK総合は生中継で、鹿児島県桜島をバックにした安倍首相の自民党総裁選出馬表明を伝えました。そして「今年は明治維新から150年。維新ゆかりの地、鹿児島を発信の地とすることで新しい国づくりへの意欲を示すねらいもあったものと思われます」という、安倍首相の意向を代弁するとも受け取れる政治部記者のコメントも添えました。 
 この放送を見たある民放のTVキャスターは、フェイスブックで「安倍首相総裁選立候補表明のミニ特番をNHKがやってる」と揶揄しました。              
 事実上、首相を選ぶことにつながる自民党総裁選挙ではありますが、一般の有権者には投票権もない一政党の党内の選挙の扱いとしては異常さが際立っています。安倍政権のメディア戦略に安易に追随していると批判されても仕方のないものです。
8月23日、昼のNHKニュースで突然安倍首相が画面に登場し、「台風20号が来るので避難を」と呼びかけ、視聴者を驚かせました。                  
 退職した元NHK報道局幹部は「一言でいえば、この避難呼びかけは気象庁の担当課長が記者会見を開いて行う類のもの。安倍氏が『電波ジャック』をしたようなもの」とフェイスブックに投稿しました。
同様の、安倍政権の災害対応をアピールする戦略に乗せられたも同然の放送は、9月の北海道地震関連で「安倍首相 北海道の停電 8日中にほぼ解消の見込み」、近畿地方を襲った台風関連で「“関西空港の復旧に全力 無電柱化進める考え”首相」と字幕表示するなど数多く見られました。
 私たちは、次のような事例も、政府与党に不都合な事実を報道しない政治的公平を欠く報道と考えています。
10月9日の翁長前知事沖縄県民葬では、安倍首相のメッセージを代読した菅官房長官に、参列者から「帰れ!」「ウソつき!」などのヤジが飛びました。
これをNHKはどう伝えたか民放報道と比較してみます。
テレビ朝日「報道ステーション」は、冒頭のナレーションで「県民葬で怒号」。菅官房長官の代読シーンでは、参列者のヤジを「ウソつき」などの字幕を添えながら数カットで伝えました。
TBS「NEWS23」も参列者のヤジに焦点をあてた報道でした。ナレーションは、「参列者のヤジで会場は騒然」。字幕も「「県民葬でヤジが」。そして菅官房長官の代読と併せて抗議の声をあげる参列者の映像を流しました。
この2番組とは対照的にNHK「ニュースウオッチ9」は、参列者のヤジを全く伝えませんでした。怒号の様子を沖縄の県域ローカルニュースではきちんと放送しましたが、「ニュース7」「ニュースウオッチ9」は玉城デニー知事の式辞と菅官房長官の代読のみで、参列者のヤジには全く触れませんでした。  
政権には不都合な事実ではありますが、首相のメッセージへの沖縄県民の怒りの表明は、それ自体が事件です。それを伝えないのでは政治的公平を欠くと非難されても弁明の余地はないでしょう。
福島在住で沖縄放送局に在職経験のあるNHKOBは、「NHKは、安倍政権にとって気に入らない沖縄や福島など国策にかかわるにニュースを、ローカル(県域)エリアに押し留め、全国放送からはずしている。重要な情報を隠蔽し、国民の知る権利に対し重大な違反行為」と批判しています。
西日本豪雨の際の「赤坂自民亭」パーティ、野田前総務大臣の金融庁への情報漏洩、杉田水脈議員の差別発言などについても、NHKはほとんど報道しませんでした。

 以上、指摘したような政権寄り報道は、視聴者・市民を誤った判断に導きかねません。その責任の重大さは、戦時中、大本営発表を垂れ流して国民を戦争に駆り立てた過ちを例に引くまでもないでしょう。

 事実を正確に伝える客観報道であっても、市民社会の動き、市民団体や野党の主張は伝えず、政府与党のパフォーマンスや、政権に都合のいい一面だけ強調した見解のみを垂れ流すことは、放送法第4条の番組編集準則「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に著しく反する報道と言わねばなりません。
私たちは、改めて放送法の精神を踏まえた「政治的に公平な報道」を求めます。
差し当って以下のような点に留意いただくよう要請するものです。
政権のメディア戦略に安易に便乗せず、政権の政策や主張もファクトチェックし、メディアとしての見識に基づく政治報道を。
「朝鮮半島出身労働者」(戦時中の「旧民間人徴用工」)、「TAG(物品貿易協定)」など、都合の悪い本質を覆い隠して政権が決めた呼称、法案名称などは無批判に使用しない。
政権・与党に不都合な事実も隠さずきちんと伝える。
市民社会や市民団体、野党の動き・見解もきちんと伝える。
政権・与党とは異なる見解、もう一つの見方(専門家・有識者の意見、国際的反響など)も広く伝える
 私たちは、公共放送NHKが、「何人からも干渉されず、政府から自立した政治的公平な報道」に立ち返ることを強く願っています。

<賛同団体>
 アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)
 「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)
 日本ジャーナリスト会議(JCJ)
 放送を語る会
 マスコミ九条の会
 メディアを考える市民の会・ぎふ
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