■■■  自治体学  ■■■

 既成の学問は「国家」を理論前提とする「国家学」です。
 自治体学は「国家統治を市民自治へ」「中央集権を地方分権へ」「行政支配を市民参加へ」組替える実践理論です。「実践を理論化し理論が実践を普遍化する」市民自治の理論です。
第四回講座・松下圭一「ロック『市民政府論』を読む」  
(カテゴリー: 自治体学講座
 第四回講座・松下圭一「ロック『市民政府論』を読む」  
        [さっぽろ自由学校・遊」2016-9-7]
(第五章)
(3節) 抵抗権から革命権へ 199p
1 マグナカルタ (中世立憲理論)
イングランド王ジョンが(1215年)封建貴族たちに強制されて承認、調印した文書。国王の徴税権の制限、法による支配などを明文化し、王権を制限、封建貴族の特権を再確認したもの。権利請願・権利章典とともに英国立憲制の発展に重要な役割を果たした。
2 革命権、中世立憲理論の(抵抗権)をロックが近代型に再編した。 
3 抵抗権と革命権の違い 207p
(1) 主体 貴族か人民か
(2) 根拠 抵抗権は貴族の身分特権、革命権は個人の基本権
(3) 形態 抵抗権は過去の基本法への回帰、革命権は未来への政府構築の主権発動
ロックは「革命権」を明示することによって『近代憲法理論』をつくりだした。206p
4 ロックの市民政府理論 (政府信託理論) 
市民が基本権(生命・自由・財産)を守るため政府をつくって権限を信託したのである。政府は市民が作った政治機構である。
民主主義は「市民」が政治主体である。「政府」は人工の道具である。その政府が権限を逸脱したときには「信託契約を解除」して政府を交代する。市民による政府交代が近代型の革命である。
5 政府と国家を混同してはならない。
「国家観念」は擬制である。擬制とは (存在しないものを存在すると言説すること)
「国家」を (国民・領土・統治権)と説明する「国家三要素説」は、質的に異なる「団体概念(国民)」と「機構概念(統治権)」を(意図的に)混同する言説である。それは国家を統治主体と擬制するための言説であった。そして合理的説明ができないから「権力で正統理論である」と弾圧し規制した。
6 民主政治の理論は「国家理論」ではない。「政府理論」である。民主主義は「国家統治」でなくて「市民自治」である。  
論点
 ・憲法学者への質問
   「国家三要素説をどのように講義していますか」 
 ・行政法学者への質問
「行政法は行政を規制する法ですか、市民を規制する法ですか」
「行政概念(の定義)をどのようにお考えですか」
   「公定力理論」「特別権力関係」とは何ですか
   
(4節) 市民政治理論の成立 208p
1 個人自由の観念
 個人自由の観念は、17世紀イギリスという特定地域・特定時期に、歴史所産たる『文化』として成立し、ロックという特定個人によって普遍理論となった観念である。184p 個人自由は一朝にして成立したのではない 181p
・古代地中海(ギリシャ・ローマ)の「共和政治の市民参加」 と 中世立憲理論の「法の支配」という遺産をひきついでいる。だがそれらは、「共和政治に参加する身分自由」であり「中世立憲理論は支配貴族の身分特権」であって「個人自由」ではない。

2 ロック理論の時代的制約
・個人自由の「定位」によってロックは市民政治理論の古典的形成者となった。ロック自身は名誉革命体制を支える通商弁務官としイギリス帝国の建設を進めた。
・だが、その名誉革命体制は、(保守的なトレヴェリアンにすら)「アイルランド抑圧と奴隷貿易に象徴される体制」であると批判された。ロック理論の「魂」である「議会」も腐敗と汚職に満ち満ちていた。
・アメリカ革命の煽動家ペインは「イギリス名誉革命体制」を、人間売買という(最も恐ろしい商売に専念し平然と冷酷に)アフリカ住民を捕獲し売買したと弾劾した。212p
・[名誉革命体制の現実史] と [市民政府論をめぐる理論史] との乖離 これを如何に考えるか 214p

論点
 スポーツ と 国歌
(朝日新聞2016年8月23日13頁 [耕論] )

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