■■■  自治体学  ■■■

 既成の学問は「国家」を理論前提とする「国家学」です。
 自治体学は「国家統治を市民自治へ」「中央集権を地方分権へ」「行政支配を市民参加へ」組替える実践理論です。「実践を理論化し理論が実践を普遍化する」市民自治の理論です。
北海道自治体学土曜講座
(カテゴリー: 自治体学会の設立経緯
第五回・北海道自治体学土曜講座  


 -市町村合併は何であったのか- 
午前 問題提起
  10.00~11.30 市町村合併は何であったのか    森  啓
  11.30~12.00 少人数町村はこれから        小林生吉
午後 討 論
討論者 北良治(奈井江町長) 山下英二(大空町長) 菅原文子(南幌町議員) 道林 實(津別町民) 小林生吉(中頓別町職員)

Ⅰ 合併とは
1 地域の自治権を失い 父祖伝来の地名が無くなること   
2 行政発注の財政の地域還流が無くなり
3人口も商圏も中心に移って周辺地域は寂れる 
4 合併は自治区域の変更であり地域の重大事である

Ⅱ 合併促進の経緯
1999年8月6日、自治省事務次官から都道府県知事に合併推進の指針(通知)
 ・地元学者などで委員会を設けて「合併促進要綱」を作成せよ
・「何処と何処が合併」とパターン(具体案)を示せ(こうなるのだと思わせる)  (そうしないと進まない)
・合併のメリットを説明せよ
①交付税を削減するが合併すれば
10年間は保障する ←(思い違いをさせるカラクリであった)
合併特例債 (使途は自由でない三分の一返済の借金)
3万人でも市に昇格を認める
 ・合併の懸念を下記のように説明せよ (デメリットとは言うな)
  行政サービスの向上 行政効率の上昇 地域イメージの上昇
  
市町村の側の対応
 ・交付税削減(兵糧攻め)で多くは「合併は避けられない」に 
・西尾発言(地方制度調査会)の効果→合併に慎重であった町村長を浮足立たせた
・矢祭町(福島県)‐「合併しない宣言」
・福島県知事(佐藤栄佐久)は 県庁内に「合併しない市町村を支援する課」を設けた

 さらなる合併促進策
 ・「三位一体改革」の宣伝流布 
①交付税削減 ②各省補助金を一括補助金に ③国税を地方税に税源移譲
騙しの論法であった ← 多くの学者が宣伝流布に協力した
 ・合併特例法の一部改正
   議会が合併反対を決議しても、住民署名→住民投票で、
「議会が合併決議したものと看做す」の法改正
衆議院総務委員会参考人意見陳述 (2001年12月4日収録)
 https://www.youtube.com/watch?v=2tqXt27Z3tU 

Ⅲ  全国各地に署名運動 
・住民投票条例制定の署名運動が広がった ← これは何を意味していたか
・殆どの議会は「住民投票の必要なし」と否決した。
・そしてまた、住民投票を行うに至ったときは
徳島の吉野川可動堰の 所謂「50%条項」を援用して「住民投票は成立せず」→「開票しないで焼却」にした。

Ⅳ 北海道の典型三事例
(1)南幌町  
(2)石狩市
(3)奈井江町 

Ⅴ 合併は長と議会で決定してよいのか
 ・合併は地域の将来に亘る重大事である。
 ・長と議会の権限は四年任期で信託した代表権限である。

Ⅵ 合併して今、どうなっているか 
1 合併して良かったことは何か。何が変り、何が変わらなかったか。 周辺地域はどうなっているか。 役場・市役所の内部はどうか。 職員に活気はあるか、行財政改革は始まっているか。それとも旧態以前であるのか。

2 特例債を当てにした合併ではなかったか。 その借金の返済はどうなるのか。
合併を進めた首長や議員に借金返済の責任意識はあるのか。
将来のことは「吾関せず」ではなかったか。 ツケは住民に返ってくる。

3 住民の「わがまちへの意識と行動」は合併論議で高まったか。
公正な判断資料を作成して提供したか。住民の質疑討論の場を設けたか。
合併協議会資料は合併前提の想定資料ではなかったか。

4 住民投票の署名運動が全国各地に起きた。
これは何を意味したか。
首長と議会への「不信表明」ではなかったか。
代表民主制度への「問い質し」ではなかったか。
住民投票は代表民主制度が機能不全になったときに生じてくる。

5 アンケートで住民意思を確認するのは公正誠実なやり方と言えるか。 アンケートは「設問と回答」の作り方で「集計結果」を誘導できる。

6 「投票率が低いから開票しない」とは「住民自治の否認」であろう。 「住民意思」を「闇から闇に葬る」ことではないのか。 50%条項は、徳島・吉野川可動堰をめぐっての「異常実例」であって 「住民投票の不成立」を意図した「組織的ボイコット戦術」であった。

7 地域の甦りで重要なのは故郷を愛し才覚を働かせる自立心であろう。 地方切捨ての合併強要をはね返す意識と行動は如何にすれば生じるか。

Ⅶ 少人数町村はこれから
 ・増田寛也レポート 
 日本創成会議・人口減少問題検討会 経済財政諮問会議
 (背後に経済界と霞ヶ関)
・「自治体が消滅する」の(キャンペーン)が意図するものは何か  
   「消滅する市町村」「壊死する地方都市」「人口急減社会」 
   「農村たたみ論」「制度リセット論」「道州制論」
   (岩波「世界」9月号188頁「増田レポート批判」、 201頁「人口減少社会の罠」)

・「選択と集中」「地方中枢拠点都市」の行き先は
 → 道州制 TPP(経済構造)
・脱成長―成熟社会化 低密度居住地域形成
・安倍内閣の統一地方選挙のための「地方創生」の実態 

(岩波「世界」10号64頁
「さらなる『選択と集中』は地方都市の衰退を加速させる」 岡田知弘(京都大学)
 (岩波「世界」10号74頁「地方創生」という名の「地方切捨て」 金子勝(慶応義塾大学)
 (岩波「世界」11月号181頁「地方創生ではしゃぐ前に」 片山善博(慶応義塾大学)
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