■■■  自治体学  ■■■

 既成の学問は「国家」を理論前提とする「国家学」です。
 自治体学は「国家統治を市民自治へ」「中央集権を地方分権へ」「行政支配を市民参加へ」組替える実践理論です。「実践を理論化し理論が実践を普遍化する」市民自治の理論です。
原発災害ー村上春樹と寺島実郎
(カテゴリー: 原発災害
 原発災害―村上春樹と寺島実郎

 作家の村上春樹さんが6月9日、「カタルーニャ国際賞(スペイン)」の受賞スピーチで「原発批判」を、自身への反省をこめて語った。
 「東京電力と日本政府」を批判し、広告費で買収された「メディア」と黙認してきた「国民」も、加害者であると述べた。
 YouTubeは「ノーカット動画」を世界に配信した。http://www.youtube.com/watch?v=Ov_eqERdKi4 (参照されたし) NHKは翌日午後七時の全国ニュースで「村上スピーチ」を放映した。報道ステーションも「スピーチ映像」を紹介した。問題は「そのとき」である。

 古館キャスターが「今のスピーチを聞いてどう思いますか」と寺島実郎氏に訊いた。「原爆]と「原発」を同じ「核」だと語った作家の言葉は重いと思うが、私は立場を異にする。日本は3万5千人の電子工学卒の技術者を抱えている。平和利用の技術で世界に貢献するべきです、と持論を述べた。
 古館「お言葉を返すようですが、福島で多くの人が現に苦しんでいます。安全と言ったその技術が破綻したのではないですか」と返した。
 寺島「日本が原発を止めても中国は8千万キロWの原発計画です。日本は技術で国際社会に貢献するべきです」と繰返した。
 古館は視線を正面に戻して「私は到底そうは思えないです」と呟いた。

 人の内心は表情に現れる。番組司会のキャスターに「私は到底そうは思えないです」と呟かれたとき、寺島氏の「内心」が表情に現れた。そこには「識者の矜持」は無かった。そして古館の表情には「正当性の自負心」があった。
 村上春樹氏は賞金930万円を被災地に寄付する。

 原子力発電は事故になれば手に負えない。使用済み核燃料の処理技術はない。その危険な使用済燃料を原発建屋内に大量に置き続けている。狂気の沙汰である。
 だが「利権と保身」が「原発容認派」を存続させるのだ。
 寺島氏が言う東大電子工学卒は「原子力村に身を寄せて安全神話を合唱した保身の人々」である。科学者の良心と勇気を放棄した人々である。福島水素爆発のときにはテレビスタジオに現れて「心配ありません」と言った人達である。
 経済同友会終身幹事の品川正治氏が岩波「世界」5月号に寄稿した「原子力と損害保険(ブレーキをかける矜持と見識)」を、寺島氏には是非お読み頂きたいと思う。

 北海道の高橋知事は8月17日、泊原発3号機の運転容認を表明した。
 その理由は「国の安全宣言を信頼する」「3号機を運転しないと冬場の電力需要に対応できない」であった。
「何を根拠に国の安全宣言を信頼するのか」「何を根拠に電力不足を言うのか」「正確詳細な資料を北電に要求し提出させたのか」。それを訊きたい。
 高橋知事は最初から泊原発の運転再開に賛成であったと思う。

 北海道議会は「抽象的な言葉で質問」し「抽象的な言い回しの答弁」で終始した。「泊村の近くに活断層が判明した」「道民の生命安全を守るのが議会の責務だ」と、心底から真剣に考える道議会議員は唯の一人もいないように思えた。
 議員は「自分は知事表明に賛成ではないのだが、会派の見解がそうではないから」などと弁明するのでもあろう。
 議員は選挙が終われば「言葉だけで行動は別」になる。
 市民派を名乗っている二人の道会議員も同じである。

 9月4日の新聞各紙は、北海道電力泊原発3号機のプルサーマル計画を巡るシンポジウムの「やらせ」問題で、「北海道電力は事実関係を調査する第三者委員会を設置したと発表した」と報じた。この新聞報道を疑問に思う。
 記事の見出しは「第三者委員会」である。だが委員の人選は北電である。これは「北電の調査委員会」である。
 なぜ、何の注釈もつけずに「第三者委員会」と報道するのか。
 「第三者を装う北電の意図」を黙過する報道感覚を疑問に思う。これでは北電意図のお先棒担ぎではないか。
 この記事には、これまで(今日の重大な事態に至るまで)「安全神話」を報道し続けたメディアであったことへの反省がない。
 考えてもみよ! 北電が委嘱する委員会が、重要で微妙なこの時期に、「やらせの有無」と「行政判断への影響」を、的確公正に調査し報告するとは思えないではないか。
 新聞は、北電発表記事と同時に「高橋知事と北海道議会」の責務を質す記事を報ずべきである。即ち「調査委員会の設置」は、北海道民が代表権限を信託した北海道政府の責務であるのだから。北電委員会は偽委員会であるのだから。
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