■■■  自治体学  ■■■

 既成の学問は「国家」を理論前提とする「国家学」です。
 自治体学は「国家統治を市民自治へ」「中央集権を地方分権へ」「行政支配を市民参加へ」組替える実践理論です。「実践を理論化し理論が実践を普遍化する」市民自治の理論です。
北方領土と沖縄米軍基地
(カテゴリー: 自治体議会
 北方領土と沖縄米軍基地

 根室市議会の勉強会に招かれた。
根室市議会は、市民から「議員数を減らすべきだ」の提言があって議会改革特別委員会を設けた。その勉強会の講師である。

1 自治体議会の改革論議が流行のように行われている。良いことである。だが「法律制度を前提」にした改革論が殆どである。「改革するべきは何か」を見据えていない改革論議である。そのように思える。そこで、議会改革の論点整理をする良い機会だと考え講演を応諾した。

2 丘珠空港から中標津までの機内で「あまりキビシイ論点」には触れないのがよいのではと思った。レジュメ は既に送付してあるのだが、「会派は議長などの役職を確保するためのものだ」「会派決定に拘束される議員の評決行動は有権者への背信である」「そのような議会のあり方への不信が市民の定数減の要求なのだ」「日本列島で一番信頼されていないのが地方議会である」などのことは、「反感を招来する」だけではあるまいか、とふと思った。
 だがしかし、それでは何のために遠く根室にまで出かけるのか、反発を避けて「当たり障りのないハナシ」をするのは背信である。「議会改革」を語る資格はないと直ちに思い返した。

3 札幌丘珠から50分。根室市内までさらに車で1時間40分、湿原を眺めながら議会事務局の方から「市民と議会」の情報を聴取した。勉強会は午後である。北方四島交流センターを見学した。歯舞島・色丹島は目の前にある。根室の人々には父祖が住んだ島の返還は切実であると思った。
 最近「島に公共施設の建設が始まっている」との説明を聞いて「ロシアは返還しない心算だな」と感じた。
 午後の勉強会の会場には議員だけでなく市民も市職員も集まっていた。根室新聞、釧路新聞、北海道新聞の記者もいた。
議会改革の論点を率直に述べた。(翌日の新聞に写真付きで報じられた)

4 夕刻、議員の方々との懇談の場が設けられた。「北海道限定のビール」と「地元産の海の幸」はとても美味であった。
 所見を交わす懇談の場である。「午前の見学で思ったこと」を述べた。
「北方領土の返還をロシアに求めること」と「沖縄の米軍基地撤去をアメリカに求めること」とは同列の問題である。共に「無謀で愚かな大東亜戦争の結末」である。65年の間、解決されずに続いている戦後処理の問題である。「根室の方々」と「沖縄の方々」の苦しみは同根である。手を携え連帯するべきである。沖縄に米軍基地があり根室に三沢基地のレーダー施設があって「四島返還は悲願である」の言い方がロシアに通用するであろうか。先ずは沖縄の方々と連帯をすべきであろう。

5 そこで、根室市議会の名で「根室市民は万感の思いをこめて沖縄の皆さんの基地撤去運動に連帯の意思を表明します」と「連帯メッセージ」を送られては如何ですか。「日本の北東端」から「日本の南西端」への「連帯メッセージ」は、「返還の悲願」と「基地の危険」を他人事のように思っている日本の人々に届くでしょう。世界の人々の共感を得ることにもなるでしょう。そして、根室市民と根室市議会の評価を高めることにもなるでありましょう、と述べた。

6 「賛同の気配」が「一期一会の場」に広がり始めた。「メッセージの文案を書いてくれませんか」と発言する議員もいた。
 だが、短い時間でその「賛同の気配」は消失した。議員の方々は平素の現状維持的安定の常識的感覚に立ち戻った。 現状を越えるには、一歩踏み出し自身の壁を突き破らなくてはならないのだけれども……
「心に響いたもの」が誕生する「歴史的場面」は去った。
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