■■■  自治体学  ■■■

 既成の学問は「国家」を理論前提とする「国家学」です。
 自治体学は「国家統治を市民自治へ」「中央集権を地方分権へ」「行政支配を市民参加へ」組替える実践理論です。「実践を理論化し理論が実践を普遍化する」市民自治の理論です。
インタビューに答える
(カテゴリー: 自治体学理論
インタビューに答える (2009-7-30、月刊誌)

1 「郵政選挙」は何であったか
  一言で言えば悲惨な事態の連続です。
 小泉構造改革は市場原理の新自由主義経済政策です。
 社会保障制度を壊し聖域なき構造改革と称して福祉予算を削減し、収入のない障害者にまで自立支援の名目で医療費の自己負担を課しました。社会的弱者の切り捨ての横行です。
 法人税を軽減し累進税率を引き下げ富裕層の要望に応えたのです。改革の本丸と絶叫した郵政民営化はアメリカ金融資本の要求であったのです。
 市町村合併を強要して地方交付税を削減しました。70年代から積み上げた自治体の政策自立が揺らぎ後退を余儀なくされています。
 派遣労働禁止などの労働者保護法制を後退させ、不安定な低所得労働者を大量に増やし、若者を街頭に放り出した元凶は小泉純一郎ですよ。毎年三万人が自殺しています。20代、30代の自殺者が増えているのが現在の日本です。蔓延する絶望が「誰でも良かった殺人」を引き起こしているのです。
 問題は小泉の言動に多数の人々が騙されたことです。メディアと学者は小泉改革の背後を洞察せず保身のために黙過しました。メディアと学者の責任は重大です。

2 民主党のマニフェストに盛られた地方政策の評価
 色々書いてありますが、財源調整制度や地方交付税制度について一歩踏み込んだ政策構想がないですね。自治体間の財源不均衡を改める制度提案が不十分です。
 市町村合併のとき「三位一体改革」が言われましたが官僚の抵抗で潰えました。「国税を地方税に回して法律上の権限も地方に移す」というのは一見良いことに思える。しかし実際には自治体間格差が生じる。そのとき、都市地域の税収を地方に回すことに「都市住民は賛成しない」と民主党の人も自民党と同じことを言うわけです。国会議員でありながら日本社会の未来を構想する政治能力が欠落しているのです。
 一皮むけば自分本位の発想です。この点は民主党も自民党も同類です。
 小沢さんは300の自治体で良いと言っています。国会議員の選挙区の数が頭にあるのです。その発想は「自治」ではなく「国家」です。「市民自治」でなく「国家統治」です。
 松下政経塾出身の方々にも市民自治の理念が欠落しています。国家発想・権力発想です。

3 自民党の地方政策はどうですか。
 道州制を推進すると言っています。道州制とは47の府県を8か10の州に統合することです。裏側の意図を洞察しなければならない。真の狙いは何かを。
 彼らがこれまで何をやってきたかを考えることです。繰り返しますが、政治権力は大衆を言葉で騙します。最近は御用学者が尤もらしい理屈で権力に加担しています。 
 強要された市町村合併は何のためであったか。合併したところは現在どうなっているのかを見つめ、考えることです。
 地方切捨てで自公支持が急落したので、麻生政権は道路財源から1兆円の地方交付金を決めました。だが建設業者と道路族議員と官僚の巻き返しで時代逆行のヒモ付き交付金になったではありませんか。
 「47を8にする道州制」と「3200を1800にした市町村合併」。そのネライは何か。地方管理体制の強化です。「地方の幸せ」「自治の進展」のためではない。地方のことを本気
で考えてはいないのです。
 「まさか」「まさかそんなことにはならないだろう」ではなくて、世の真相を洞察しないと、ツケは自分に返ってくるのです。
 「国を愛する心がなくてどうするか」「どこに徴兵制のない国があるのか」などの声高な論議は目の前まできているのです。
 ネットの「YouTube」にはビックリする動画が投稿されています。

4 有権者に伝えたいことは何ですか。
 現在の日本は「国民的健忘症」に罹っていると思います。「考える力」が衰えているから忘れるのですね。現在の日本に必要なのは思考力です。批判的思考力です。
騙されてはならない。御用学者とマスメディアを信用してはなりません。思考力を高めなくてはならない。自分で考える。テレビに出ている御用学者の理屈に騙されてはならない。
 自分の一票を重ねることで日本の政治を改めるという発想を持ちたいと思います。候補者の殆どが自分利益の人たちですから一回の選挙で目に見える効果は出ない。けれども諦めない。何回かの選挙で状況を変えていく。そう考える。
 日本はアメリカやイギリスのような二大政党よりも、ヨーロッパのようにいくつもの政党が政策協定を結んで政権を担う。その組み合わせを国民が支持する政治の方が良いと思います。相互批判の可能性があるからです。危険な方向に崩落しないためです。   
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