■■■  自治体学  ■■■

 既成の学問は「国家」を理論前提とする「国家学」です。
 自治体学は「国家統治を市民自治へ」「中央集権を地方分権へ」「行政支配を市民参加へ」組替える実践理論です。「実践を理論化し理論が実践を普遍化する」市民自治の理論です。
自治体学理論と小規模町村の将来像
(カテゴリー: 自治体学理論
「自治体学理論と小規模町村の将来像」

 「小規模町村は『特別町村』になってしまうのか」と題する公開フォーラムが札幌市内で開催された。 多くの人が参集した。 感想を記す。

1 討論を最後まで全て聴いたのだが、「フォーラム開催の意図」が判然としなかった。関西学院大学のK氏は昨今の市町村合併で総務省の代弁者として活躍したのは周知のことである。その人物を基調講演者として迎えたのはなぜなのか。また、総務省市町村課の理事官をパネリストとして壇上に招いたのはなぜか。
 公開形式でこのようなフォーラムを開催した主催者の意図が判然としなかった。

2 推察をすれば、主催者には現状のままで事態が推移すれば、「小規模町村は消されてしまう」「自治体でなくなってしまう」との危惧と危機感があってのフォーラム開催であろう。つまり、総務省に顔の利くK氏を「基調講演者」「パネル討論の助言者」と遇して迎え、さらに総務省理事官をパネリストとして壇上に迎えたのは、「主催者メンバーの考え」が「総務省に届く」ことを念願してのことであろうか。  よもや、K氏や総務省理事官から「小規模町村の自治権を守る方策」を教わりたいと考えてのことではあるまい。

3  しかしながら、公開フォーラム開催者には参集者に対する責任がある。
 参集者は「このフォーラム」を聴きに行けば、「如何にすれば小規模町村の自治権を守ることができるのか」「総務省の地方支配から脱する方途は何であるのか」「中央官僚の集権官治の体質的意図を如何にすればハネ返せるのか」を「聴いて考える」ことができると思って参集するのである。
 「フォーラムのタイトル」は「小規模町村は『特別町村』になってしまうのか」である。
 総務省代弁者や省庁官僚が「基調講演者」「助言者」として発言をするが、その発言に「質問や批判的所見や反論」の発言者は用意されていない。
 参集者は「何のためのフォーラムなのか」と戸惑ったのではあるまいか。 
 参集者を「ダシ」にしてはならない。何事も羊頭狗肉は宜しくない。「主催者の思い」を「総務省に届ける」ためならば、それなりの方法が他にあるであろう。

4 基調講演の内容は「何を喋っているのか」が分からない意味不明なものであった。本人自身も「何を喋っているのか」が分かっていない風情であった。そのような「独り言」も発していた。総務省理事官は「地方制度調査会に諮問はしたが総務省には小規模町村制度について何の意図ももってはおりません」と述べた。省の意図をおくびにも出さない典型的な官僚の言い方であった。
 フォーラムならば「論点提起」「意見交流」「批判的反論」がプログラム構成として用意されていなければならない。「自治体たらんと苦闘する町村」にとっては、総務省は「地方支配の制度維持」を続けている省庁である。主催者にその認識がまことに希薄である。
 今次の「市町村合併促進」「交付税減額」「三位一体改革の虚言」を意図的に忘れた「政策提言」という名目の「嘆願フォーラム」の如くに思えた。

5 おそらく、「小規模町村の運命は総務省が握っている」「これは如何ともならないのだ」との諦観が心底にあるのではあるまいか。それは「領主様に上訴・嘆願する心底」と大差はない。
 自治体理論は「統治支配」に「市民自治」を対置して「自治体改革の展望」切り拓くのである。
 よく言われることであるが、「対案を出さなくては」「反対するだけではダメだ」との言い方がある。だが、その言い方をする者には「自身の覚悟」「規範的決断」は不在である。何事も現状に抗するには「覚悟と抵抗」が不可欠である。
 対案を出せば「特別町村」も「少しは良いものになるのでは」と考えるのは、総務省の正体を洞察しない思考である。

6 「合併問題」も「小規模町村の将来」も、肝心カナメなことは「地域の自治力」である。「嘆願のような提案」よりも、地域と役場での「自治学習の実践」である。総務省職員を壇上に「講師として迎える」よりも「地域での草の根学習の実践」である。「自治学習」が地域で困難だから「省庁への提案フォーラム」をと考えたのであろうが、「公開フォーラムの主催者」には、参集者が「何を思って帰途につくか」を重要に考える責務がある。
 「嘆願フォーラムのダシ」では参加者の心は熱くならない。

スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック