■■■  自治体学  ■■■

 既成の学問は「国家」を理論前提とする「国家学」です。
 自治体学は「国家統治を市民自治へ」「中央集権を地方分権へ」「行政支配を市民参加へ」組替える実践理論です。「実践を理論化し理論が実践を普遍化する」市民自治の理論です。
憲法判断を回避する最高裁
(カテゴリー: 自治体学理論
   憲法判断を回避し続ける最高裁   
   -「憲法の番人」たるの責務ー 

昨夜(10月17日18時)、新聞記者から最高裁判決に対するコメントを求められたので、
下記のように述べた。

1「選挙までの間に議員定数配分規定を改正しなかったことが“国会の裁量権の限界を超えるものとはいえず”」との判決は、昨年の札幌高裁の『違憲とまでは言えない』の理由が“改正案を国会に提出予定であるから”であったのだから、一年を経過した今回の最高裁の判決で、再び「国会の裁量権の限界を超えるものとはいえず」との判決には合理性がない。
 しからば訊ねる、最高裁の考える「国会の裁量権の限界」とは如何なる事態のことであるのか。
 それは、憲法判断を回避するための「言い方」に過ぎないことは明瞭である。

2 これまでも最高裁は、9条違憲訴訟において「統治行為」なる言葉で、憲法判断を回避してきた。そして今回は「国会の裁量権の限界を超えるものとはいえず」の言辞で「憲法違反」の判決を回避した。
 憲法判断を回避し続ける最高裁は「憲法の番人」の責務を放棄するものである。
 主権者国民は「最高裁の憲法違反」を厳しく批判すべきであろう。

3 主権者国民は、国会(政党と議員)が「政権争い」に終始して現在の事態になったことを、併せて厳しく批判すべきである。

4 選挙制度の改正は 政府・立法府の役割であって、「都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置を講じ、できるだけ速やかに違憲の問題が生ずる上記の不平等状態を解消する必要がある」との判決文は「傍論」である。最高裁は「憲法違反か、否か」の判断を為すべきである。
 以上のように返答した。

 今朝、記者から次のメールが届いた。
昨日は、急なお願いにもかかわらず、取材に応じていただきありがとうございました。
紙面の編集段階の判断で森先生の見解を盛り込むことができませんでした。申し訳ありません。
 最高裁判断に対する鋭い指摘はあってしかるべきだと個人的には思ったのですが、私の力不足でした。今後、いろいろとまたご相談させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 18日の各紙は、最高裁は「違憲状態」と判示したと報じている。だが、最高裁の「憲法の番人の責務」を論評する記事は見当たらなかった。
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