■■■  自治体学  ■■■

 既成の学問は「国家」を理論前提とする「国家学」です。
 自治体学は「国家統治を市民自治へ」「中央集権を地方分権へ」「行政支配を市民参加へ」組替える実践理論です。「実践を理論化し理論が実践を普遍化する」市民自治の理論です。
北海道自治体学会・地域フォーラム
(カテゴリー: 自治体学とシンポジュウム
北海道自治体学会は10月16日、大沼国際セミナーハウス(亀田郡七飯町)で地域フォーラムを開催した。
緊迫した討論が展開され盛会であった。

時事通信社・情報誌「地方行政」の11月1日号に下記の討論内容が掲載される。

「議会改革の論点」

 議員不信と議員特権
 議員の数と報酬  
 政務調査費
 議会の会派
 因循姑息な議会慣例

「議会改革と自治基本条例」

「まちづくり基本条例」と「自治基本条例」の混同
「議会基本条例」の異常な流行
「議会基本条例もあり」は奇妙な理屈
 学者の理論責任 
 地方自治法は準則法なのだ
 栗山町議会基本条例-二つの根本的欠陥
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市民の自治力
(カテゴリー: 自治体学理論
さっぽろ自由学校「遊」です

前期に盛況だった連続講座『市民の自治力』の番外編です。
初めての方もぜひご参加ください。

(テーマ「自治基本条例の正しい考え方」

 日本の民主主義は名ばかりのものだとよく言われます。
 市民が政治に参加するのは選挙のみで、市民がまちの課題を議論し政策に反映する習慣と土壌がありません。

 道・市議会で何をしているのか市民からは見えにくく、多くの市民が関心を持つきっかけがありません。選挙で選ばれたはずなのに、「当選すればこっちのもの」とばかりに振舞う議員も少なからずいます。
 このため、道政や市政に対して不信感が蔓延しています。

 このような議会や議員の問題点を改善するための新しい機能として、
 近年、「自治基本条例」「議会基本条例」が注目され、自治体業界では大流行しています。しかし、多くの市民はこのことを知りません。
 
 この動きを、市民は手放しで歓迎できるのでしょうか? 
 この講座で検証し、将来への道筋を考えたいと思います。


日時:10月22日(金)18:30~20:30

講師 森 啓(もり・けい)さん NPO法人自治体政策研究所理事長

会場 さっぽろ自由学校「遊」

【お申込み・お問合せ】
NPO法人 さっぽろ自由学校「遊」
〒060-0061 札幌市中央区南1条西5丁目 愛生舘ビル2F
TEl:011-252-6752 FAX:011-252-6751
syu@sapporoyu.org http://www.sapporoyu.org


市民の自治力  2010-10-22 

1 議会改革と自治基本条例
 ・自治基本条例の必要性 
  白紙委任の如くに身勝手に行動 → 議会不信、行政不信
 ・基本条例は「代表権限の行使・運営」に枠を定める最高規範
 ・自治体の実績蓄積 - 市民自治の規範意識の定着 
 ・市民社会の成熟

2「まちづくり基本条例」と「自治基本条例」の違い
 ・まちづくり基本条例の制定手続 
   環境基本条例、福祉基本条例、交通安全基本条例
   災害防止基本条例、などの「まちづくり基本条例」は
   首長が提案して議会が決議する 
   条例制定権限は「選挙の信託契約」によって
   首長と議会に託されている。

 ・自治基本条例の制定手続
   有権者市民の合意決裁により最高規範意識を醸成する
   自治基本条例は代表権限の行使に枠を定める最高規範
   である。
   制定主体は代表権限を選挙で信託した市民である。
   首長と議会は基本条例を遵守する立場である。    

3 市民自治の最高規範
 「情報公開条例」「環境アセスメント条例」
 「オンブズパーソン制度」「政策評価制度」などの
 「市民自治制度」が相継いで制定されたが
  それらの「自治制度」は形骸化し役立っていない。
  そして今度は自治基本条例の流行である。 

4 議会基本条例
  ・異常な流行 - なぜ流行しているか

5 学者の理論責任
  行政基本条例と議会基本条例が別々にあってよいと
  説明するのは誤りである。


6 栗山町議会基本条例
  ・二つの根本的欠陥
  1 町民の合意・決裁を得ていない。
    議会の自己規律の定書きである
  2 なぜ議会だけで決めるのか
    なぜ町全体の自治基本条例にしないのか

                          


構造改革と格差社会
(カテゴリー: 自治体学理論
第12回市民公開講座 
  「構造改革」と「格差社会」  
     
1.新自由主義 (ネオリベラリズム)
 ミルトン・フリードマン (2006-11-16死去)  シカゴ学派
  ケインズ学派を攻撃 - 公共政策の役割―政府の失敗
自由な市場が経済を活性化する 公共事業、福祉事業も無駄
最低賃金制度 保険制度 公民権法も不必要

サッチャー、レーガンの政策 ―「アメリカの貧困層」(NHK衛星放送)
 チリ、アルゼンチン、ブラジル-悲劇的失敗 (貧困層の増大)
小泉は総裁選で竹中(シカゴボーイズ)のレクチャーを受け「構造改革」を唱え
 アメリカの要求で郵政民営化を改革の本命と叫び、国民は反対せずであった。 

新自由主義の政策特色
  1規制緩和―自由な市場競争 所得不平等・失業率の増加はやむを得ない
  2大幅減税―累進課税の引き下げ 勤労の意欲 努力が報われる社会
  3福祉政策の引下―怠け者をつくる 経済効率に反する

2.規制緩和
・「規制」は、公平・公正な経済活動のルール。
・「規制緩和」は、自由競争―新規参入―会社乗っ取り-M&A・企業買収
  リストラ-失業者増大―フリーター、パートタイマー
  所得分配の不公平 一部の富裕層と多数の貧困層
・だが、官(行政)が許認可権-官僚不信 公務員バッシング
  官の規制が経済を停滞させているのだ―規制緩和賛成の世論形成
官から民へ―民営化  自治体にも指定管理者制度
  交通 流通 医療 福祉 住宅 金融 教育
   (安全・安心―事故・耐震偽装・シャツター街)
・加えて「派遣労働法の規制」も、緩和した。

 それまで、秘書、通訳などの専門16業種に限定していた規制を
99年に原則自由にした。04年に派遣期間は1年を3年に規制緩和した。
 さらに、製造業、社会福祉にも派遣労働を可能にした。
企業は賃金コスト削減―非正規職員の増大―社会保険の使用者負担逃れ
・規制緩和は 働かせる側の自由  働く側には権利否定 

1 過度のコスト競争―倒産・企業合併
2 賃金労働条件の悪化・低下
3 コスト削減―安全性の低下  4 利益優先―公共性の喪失
・ かくて、中流の没落 → 貧困層 (200万/年収) 二極分化した

3.減税 
累進税率引下 ― 頑張った者が報われる社会 - 勤労意欲
 所得税   (83年) 75% →  37% 高額者
相続税       70% →  30%
法人税 (85年) 43.3% → 30%
  消費税 4兆6000億円 → 9兆6000億円
高額所得者・高額資産者を優遇
 
4.社会保障の後退
 福祉政策は怠け者をつくる。貧困は本人の努力不足が原因
 負担の増額・給付の削減の連続 
 年金生活者にも - 初診料・薬代負担 所得税
 社会保障費の削減 - 格差の拡大・深刻な貧困層の増大
 セーフティネットは世界的に最低水準
 貧困率 OECD調査ワースト2 アメリカが一位
     平均10.4% 日本 15.3%  
  母子所帯  95年―55.3% 2001年―53.0%
高齢単身者 95年―47.9% 2001年―43.0% 半数近い人が貧困
・ 生活保護世帯 2005年2月 100万世帯を超える
・ 生活保護世帯以下の年金世帯
・ 自殺者数も増加

5.なぜ国民は規制緩和に反対しなかったか
 新自由主義の規制緩和の政策に多くの国民が反対しなかったのは なぜか。
 なぜ小泉支持率が下がらなかったのか。

1 官僚が規制の権限を握っていることへの不信。
2 学者などが審議会で尤もらしく賛成した。
3 政策決定に参画するのは都市部に住む高額所得者である。
4 報道するメディアの人達も「所得税減税」が「消費税増額」よりも、自分には良いと思う階層である。
5問題は、規制緩和を低所得の人達も反対しなかったことである。

多数の国民が小泉を支持し「構造改革」「民営化」「規制緩和」に賛成した。
 なぜであるか を考察する。