■■■  自治体学  ■■■

 既成の学問は「国家」を理論前提とする「国家学」です。
 自治体学は「国家統治を市民自治へ」「中央集権を地方分権へ」「行政支配を市民参加へ」組替える実践理論です。「実践を理論化し理論が実践を普遍化する」市民自治の理論です。
北海道の未来と新幹線工事
(カテゴリー: 政策提言
 北海道の未来と新幹線工事

 莫大な工事費
 「新幹線の札幌延伸」は莫大な工事費用である。
 その費用を「道民の生活」に使うべきである。
 札幌延伸は、道民には「差し迫った必要」ではない。札幌商工会議所の幹部だけが「悲願だ」と言っているのである。
 新幹線よりも、不景気で働く場所がないのだから「雇用の場」の創出が先である。新幹線工事は若者を雇用することにならない。
 高年齢化が進行して老人介護のマンパワーが絶対的に不足しているのだから、介護ヘルパーの方々が「正当な賃金と勤務時間」で安心して働けるようにすることである。それには、現在の利益本位の福祉業者への委託事業を取りやめて、市民の自治力による新ビジネスを開発することである。
 
 電力の自由市場化
 そしてまた、危険なプルサーマルの泊原発を廃炉にして、北海道を安全な自然再生エネルギーの先端地域にする。原発に依存しない仕組みを構築することである。
 それには、北電が独占している送電線を買い取って、電力の「自由市場化」を推進する。そしてそれを管理運営する公正な会社を設立する。
 自然再生エネルギーの新ビジネスを始める企業と団体への「技術援助と資金援助」に金をかける。そうすれば、そこに雇用が生まれる。
 このようなことが「経費の使い方」として「新幹線延伸」よりもはるかに賢い公共政策である。即ち、北海道の将来を創出することに公共財政を使うべきである。

 在来線が不便になる
 これまでの実際を見ると、新幹線が開通すると在来線が不便になり、乗客が少なくなり廃線になる。そして駅前商店がなくなり、在来線に付随していた雇用の場が失われてしまう。
 札幌開通は2035年とされている。公共工事は着工してしまえば「今さら止められない」の言い方で、その間に予算が追加されて当初予算の数倍の税金が費やされる。新幹線延伸を悲願と言う人達はそれが狙いである。新幹線工事費を「飯のタネ」にするのが目当てである。
 沿線市町村は同意したと言っているが、泊原発の周辺自治体と同じことで、こういうものは首長が賛成しても、住民に判断材料が提供されて賛否の問題点が明らかにならなければ、「地元が了承した」にはならないのだ。 
 賛成している住民も、実際に新幹線が開通して在来線がどうなるかを承知した上での賛成であるのか、疑問である。

 高橋知事は何を考えているのか
 札幌商工会議所の幹部は「新幹線で景気回復を」と言う。それなら、具体的に景気回復の筋道を説明すべきである。説明できないのは「建設工事費」を景気浮揚と言っているに過ぎない。現在只今、新幹線が通っていないことで誰が困っているというのか。
 高橋知事も悲願だと言っている。日本は一千兆円を超える借金で財政破綻に陥りかけているではないか。知事は一体何を考えているのか。公共工事は最初の試算額よりもはるかに莫大な税金が投入されるのである。高橋道政は政策構想力のある職員を登用せず遠ざけている。だから「北海道の未来」を創出する政策が出せないのだ。

 政策討論会
 新千歳から東京まで飛行機で1時間半。航空運賃も価格破壊で低額になった。航空機に馴れた人達が時間のかかる新幹線に乗り換えるとは思えない。
 公共性の高い国有鉄道をJR北海道の営利会社にしてしまったから、利益重視になって「北海道の南北・縦軸」の庶民の足の「ふるさと銀河線」も廃線にした。JR北海道は、儲かる路線だけに資金を投入して「少人数地域と弱者」を切り捨てる。新幹線も同じことである。
 そこで、北海道の未来を創るための公開討論会を開催して市民の自治力で公正な世論を作り出すのだ。そこに、札幌商工会議所の幹部も出席して討論をする。高橋知事も討論者として参加する。メディアはその論議を報道する。この公開討論会をまずは沿線市町村から始めることだ。

 新幹線は選挙対策
 八ッ場ダムをはじめ、ここに来てまたぞろ公共工事が始まってきた。年内と言われる衆議院解散総選挙のためであろう。建設業者とつながりのある政治家は多い。公共工事で建設業界を潤わせ、その見返りで選挙を目論んでいるのであろう。
 北海道民は「誰が何の目的で北海道新幹線を言っているか」を見抜かなくてはならぬ。
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自治体学と政権交代
(カテゴリー: 政策提言
自治体学と政権交代

総括なくして自民党の再生なし
 半世紀にわたって自民中心の政権が続く中、ドラスティックな変化により政権交代が実現したのは、単なる風というようなものではない。半ばあきらめかけていた国民も多かったと思うが、ようやく日本でも真の政権交代が成ったことは喜ばしいことだ。
 自民を中心とした政権は建設業をはじめとする業界の力で集票していた。民主党は選挙における集票の基盤が違う。前原国交相が、八ツ場ダムなど公共事業の見直しを強く訴えることができるのも、これに起因する。これまでの自民党政権では、業界とのしがらみから何も言えなかった。公共事業は当初予算の3倍もの額を蕩尽していたのだ。大蔵官僚もそのことに何も言え(言わ)なかった。 マスコミは政治家vs. 官僚の図式を盛んに書いているが、政権交代によってハッキリ言えるうことを、財務官僚の中にはひそかに歓迎するムキもあるようだ。行政刷新会議の公開仕分けも政権交代があってのことである。
 小泉政権の「聖域なき」構造改革の正体は、言葉どおり生活が成り立たない人の福祉予算まで削って、自己負担を課すというものだった。その一方で、累進課税の比率を緩やかにして金持ち優遇政策を進め、法人税を軽減して大企業を優遇した。そういった弱者を切り捨てる政策の積み重ねが、国民に自民党をあきらめさせたのだ。
 自民党議員は、この道路は自分が予算を引っ張ってきて作ったなどと自慢し、議員とつながりのある建設業者はセンセイのおかげで仕事がもらえると喜んでいた。長い間、公金を我が物顔で使うような政治行動の価値観がまかり通っていたのである。国民もアキラメていたのである。
 自民党は谷垣総裁のもとで再生を図るとしているが、事ここに至っても、過去の問題点をハッキリと指摘した総裁候補は1人もいなかった。自民党がなぜ国民から見放されてしまったのかをきちんと総括できない自民党では政権復帰は夢のまた夢である。権力を失った自民党領袖は何をすることもできないでいるではないか。

「地方主権」は口先だけか
 民主党政権の問題点として、子育て支援、学費無料化等に係る財源確保が言われるが、財源は圧倒的なムダの塊をなくすことで確保できるはず。また、誰も言わないが、防衛費の無駄にも手をつける必要がある。なぜ要らない戦闘機を購入したり、根拠のない金をアメリカに払い続けるのか。この点もアメリカと正面を向いて話し合うべきではないか。それが日米対等ということであろう。
 新政権発足後、何かにつけ地方主権と言っているが、何が地方主権であるのかが見えない。民主党の言う財源と権限の地方移譲は、単なる言葉だけのものであるように思える。つまり民主党も、全部中央で取り仕切ろうという考え方である。自民党時代と差はないように思える。
 民主党の小沢幹事長は、かつて、全国の市町村を300に絞り込むと言っていた。国家ありて地方なしである。民主党には自治・分権は希薄である。言葉だけではない地方分権の制度改革が求められる。多くの国会議員が地方分権の推進に及び腰なのは、地元への利益誘導を省庁から強引に引き出す構図が崩れるからだ。
 財源が地方に振り分けられると、東京で地元への利益誘導の政治活動ができなくなり、自分の存在価値もあいまいになるからだ。
 このことでは自民も民主も議員の考えは一緒で、本音を言うと国会議員は道州制に反対しているのではと思われるフシがある。とはいえ、地方でなければ解決できない問題が多々出てきているのは事実だ。真に人々の生活を考えるなら、地方に財源をつけて権限委譲することは不可欠。このまま言葉だけで地方分権が推進されないとするならば、民主党も支持を失うであろう。
 これからは、地方政府が国内政策を固める一方、中央政府は国際社会の政策課題に目を向けなければならない。環境破壊やウイルスの蔓延など、困難きわまる課題が山積している現代社会である。

北海道新幹線も再考するべし!
 北海道について言えば、函館から札幌への延伸を悲願だとしていた新幹線問題も考え直す良い機会だ。飛行機で充分間に合うものを、新幹線に乗って一体どこへ行こうというのか。何も莫大な費用をかけて国土を荒廃させる事業は止めるべきである。これは工事費で潤う人のための公共工事である。関連業界の利益のためのものである。北海道経済の景気浮揚につながるというのは甚だ疑問だ。函館などの工事地域を選挙区とする民主党議員が集まり中止・凍結の党政策を見直すべきだと蠢き始めているとのことである。
 こんなところに使う金があるのならば、母子・父子家庭とか生活保護家庭など、生活に苦しむ人のために金を使うべきだろう。介護ヘルパーの人件費をピンハネする受託制度を規制するべきである。真に国を豊かにする政策は公共建設事業でない。福祉、環境、教育の充実による新産業の開発である。
自治体政策研究所とは
(カテゴリー: 政策提言
 自治体政策研究所とは

NPO法人自治体政策研究所は、北海道庁職員が1995年1月に「政策型思考研究会」を結成し「自治体学理論」の研究を行ない「論集・政策型思考と政治」を刊行して、2007年10月に「政策型思考研究会」を発展的に改組して「NPO法人自治体政策研究所」を設立した。

 最近の研究課題は「夕張再生の自治体学」である。
 夕張市は再建計画の想定を上回るペースで市外への人口流失が進行している。
 2006年6月で13,165人、2007年4月で12,552人、2008年4月で11,998人である。
 再建計画は実質的には国と道庁が策定したものであり、その内容は「債務償還計画」であって「再生計画」ではない。
 債務総額の353億円は、道庁がみずほ銀行などの債権者に全額立替をして確定した債務額である。
 社会の通常では、返済不能となった「不良債権」の処理は、債権者会議の場で「何割かの債権放棄と返済保証」の協議がなされる。その協議を纏めるのが「道庁の役回り」ではあるまいか。しかるに道庁は、全額を債権者に立替えて夕張市の債務額を確定したのである。道庁はみずほ銀行などの債権者の側に立って債権を100%守ったのである。そう考えざるを得ないではないか。そしてまた、夕張再建計画の策定も夕張市民の生活よりも総務省の指示どおりに行動しているではないか。市町村の側に立つ道庁とは思えない言動である。
 国の内需拡大政策に従い起債承認を続けた道庁に債務額の一端を負う責任があるのではあるまいか。これらは論義をするべき課題であろう。 
 自治体政策研究所は、夕張再生への現地調査を重ね、地元の「再生市民会議」とも意見交換を行い夕張再生への提案を行ってきた。さらに、市民、研究者、企業経営者、弁護士の方々と、夕張再生の道筋を探る「政策提言公開討論の場」を設けている。
 それらの詳細は、下記のHPに時事刻々を掲載している。

    http://jichitai-seisaku.com/index.html


  夕張再生・公開討論会

  日時 2009年7月9日(木)13時~16時
  主催 北海学園大学開発研究所(道州制に係る研究会)
       NPO法人自治体政策研究所     
 
 開会挨拶   高原一隆     北海学園大学開発研究所所長 

 講 演  「まちづくりと議員の責務」
            根 本 良 一  福島県矢祭町前町長

 討 論  「議員の役割と市民の責務」        
       司  会  森  啓  (NPO自治体政策研究所)
       パネラー  根本良一 (矢祭町前町長)    
               北 良治  (奈井江町長)   
               笹村 一  (リンカーンフォーラム北海道)
               三島京子  (夕張市民)    
               湊谷宣夫  (NPO自治体政策研究所)

 
夕張再生の自治体学
(カテゴリー: 政策提言
「夕張再生政策研究会」 2009年3月21日・ 北海学園大学7号館

夕張再生の自治体学
 自治体学による夕張再生の方策を提案します。
夕張が財政破綻した直後に報道されたNHKテレビの「財政破綻の夕張」の録画を昨夜見ました。前の後藤市長さんと退職前の幹部の方々が協議している場面です。  
財政再建計画のベテランということで夕張市役所に乗り込んできた道庁の財政に詳しい方が、「353億円の返済は夕張市として無理な話だ、そんなことはできるはずがない」言いきっていました。ところが、夕張市では、353億円を18年間で返済することが再建計画だとされています。
 総務省から来ている方が夕張再生室長をなさっていて、「黄色いハンカチ基金」という全国から集まった1億円を超える寄付金も管理しています。その基金をどう使うかの審査も再生室が事務局で実質的に掌握しています。
 二つ提案します。

1 夕張再生市民室
 再生室の(総務省の)考え方は「353億円を計画通りに返済することが夕張の再生である」です。しかしながら、夕張再生は夕張市民の生活が成り立つことが基本になくてはならない。市民生活が成り立たない返済優先の計画は「夕張再生の計画」ではないのです。 そこで「夕張再生とは如何なることか」を考えなくてはならない。これが第一の問題です。
 夕張再生室の実態は「債務償還管理室」ですから、名称を「夕張市債務償還管理室」に改めて、全国からの寄付金の1億円の管理とその使途を含めた所管は夕張再生を総括して考える「夕張再生市民室」を新設してそこが所管するべきです。
 夕張再生には市民と行政との協働が不可欠です。協働は信頼関係がなくてはならない。ところが、「市民と市議会」、「市民と市役所職員」との間には、長年の経緯による深い溝があります。だが、信頼を基にした協働がなければ夕張再生は不可能です。尊敬とまではいかなくても信頼に基づく連帯関係を創り出さなくてはならない。如何にして連帯を創り出すか。これが第二の問題です。

2 市民行政
 「市民行政」を提案します。
 市民行政とは市民が市役所に入って職員と一緒に夕張再生の仕事をすることです。
行政法学の方は「市民行政」という言葉に違和感をもつでありましょう。行政は行政職員(公務員)が行なうものだの観念に縛られているからです。国家統治学としての行政法学理論に捕らわれているからです。自治体学への転換が必要です。
自治体学は「行政概念」を転換します。
「行政概念を転換する」とは次のようなことです。
国家学の行政法学では「行政とは法の執行である」です。
自治体学では「行政は政策の実行である」です。
 政策とは課題と方策を組み合わせたものですから、政策の実行とは課題を解決することです。そして、夕張再生という未曾有の困難な課題を解決するには「市民と行政職員の協働」が必要です。国家学の行政法理論に縛られてはならないのです。
市民行政とは市民が行政を行うことです。
 「市民が行なう行政」を「そんなの有りか?」と驚くことはないのです。ここが発想の分岐点です。こう考えることが夕張再生の出発になるのです。 
 人間は言葉で論理を組み立てて解決方策を構想します。前例が有るとか無いとかの問題ではないのです。未曾有の困難な事態にある夕張です。市民自治の自治体学理論で事態を解決しなくてはなりません。
 市民行政とは行政執行に市民が関わることです。これまで、参加・参画・協働という言葉が言われました。どれも内容は同じです。
 市民行政を市民参加と言えば分りやすいでしょう。
 市民参加とは市民が政策立案、政策決定、政策執行、政策評価の各過程に関わることです。市民が当事者として実質的に関わることが市民参加です。
 既存の国家統治学の方は「そんなことありえないじゃないか!」と言います。だがしかし、人間の生きている意味は「理想を目指して現実をどう変えていくか」「そのために論理を如何に構築するか」であります。それが生きているという意味です。
 立案と執行に市民が参加する。これが最近よく言われる「市民と行政の協働」です。協働とは自己革新した主体の協力関係を意味する言葉です。主体双方が従来のあり方と考え方を改めることが前提の言葉です。
 夕張市役所に再生市民室を新設する。
 市民が市役所職員と協働して市民生活優先の夕張再生に取り組むのです。

3 市民議会
 もう一つの提案は、「市民議会」を創り出すことです。「市民議会」とは市民の手に議会を取り戻すことです。
 「市民と市議会」の間には深い溝が横たわっています。市民と議会の意志疎通は不信の壁で閉ざされているようです。市民と市議会の相互信頼は絶望的に見えます。
 福島県矢祭町では議員提案で議員報酬を日当制に改めました。町財政の危機を乗り越えるためです。それは矢祭町議員の方々が「わが町への愛情」を抱いているからです。
 財政破綻した夕張の議員の方々は矢祭町議員の行動をどのように見ているのでしょうか。あるいはまた、市議会が「夕張再生の道筋」を市民と話しあう場を設けることがあってよいのではないか。
 夕張市議会にこそ再生計画が必要です。再生計画案は前回 ( 2009年2月15日) の公開研究会で提案をしたので省略します。
夕張再生への政策提言
(カテゴリー: 政策提言
夕張再生への政策提言 (討論集約)     2009-2-15

A 問題の所在
1「夕張再生の主体」
 夕張再生の主体は夕張市民でなければならない。ところが、現状は総務省職員が室長である「夕張再生室」が一切を取り仕切っている。「全国からの寄付金」の管理も「様々な再生提案」も「再生室長」が握っている。市長は「財政再建計画」で縛られ政策主導は限定されている。
 市民は傍観者であり市議会は旧態依然である。

2 「再生の意味」
 総務省と道庁は「353億円を18年間で償還すること」が「夕張の再生である」と考えている。「財政再建計画」の実行が「夕張の再生」であるとされている。
 しかしながら、「市民生活が成り立つ」ことが「夕張再生の基本」にならなくてはなるまい。
 夕張の現状は、市民生活に不可欠な施設の運営が指定管理者の返上で困難になり、老朽施設が修繕できずに崩落する状況が続き、人口は2006年6月13,165人が2008年4月11,998人へと、市外への人口流失が続いている。
 夕張再生は「夕張市民の生活が成り立つ」ことが基本である。

B 夕張再生への提案
1 再生市民室の設置
「再生市民室」を新設して「全国からの寄付金」と「様々な再生提案」に対応する。
 現在の「再生室」の任務は「債務償還管理室」であるから名称もそのように改める。
 新設する「再生市民室」には、市民が「市民行政職員」として参画する。それが、市役所を「お役所」から「市民の自治機構」へと創造的に転換させることになる。
 夕張再生の道筋は「夕張市民」と「市役所職員」との相互信頼が基軸である。

2市民議会 ― 議会を市民の手に取り戻す
 夕張市民の「市議会への不信と批判」は深刻である。
 「市民の自治機構」としての議会への改革が不可欠である。それにはまず、議会の開催を「休日と夕刻」に改めて「普通の市民」が議員を務めることが可能な議会にすることである。

3 債務総額の調整 - 国と道庁の分担
 「353億円とその利子」を「18年で返済する」ことは「夕張再生計画」と両立しない。
 返済は不可能である。
 そもそも、353億円の債務額は、北海道庁が「みずほ銀行などの債権者」に全額一括立替返済をして確定した債務額である。
 経済社会の通常では、返済不能となった「不良債権」の処理は、債権者会議の場で「何割かの債権放棄と返済保証」の「債務調整の協議」がなされる。それが現代社会の知恵である。
 北海道庁の「役回り」は「そのような協議の場」を設けることではなかったか。一括立て替え返済は「不良債権を貸し付けた金融機関」を庇護するやり方である。
 北海道庁は「債権・債務の破綻」において「どちらの側」の利益擁護者であるのか。
 そしてまた、債務額の増大は「内需拡大政策」に原因がある。すなわち各省庁が「後日に返済を肩代わりするから」などの言い方で借金財政を促進させた結果である。
 さらにまた、起債許可権を持つ総務省と北海道庁は起債許可時に「財政破綻を承知していた」のであるから、国と北海道庁に責任なしとは言えないであろう。
 人口減少が進行し続けている夕張市民には「353億円とその利子」を「18年で返済する」ことは不可能である。
 夕張の市民生活の再生には「353億円の債務額調整」が必要である。

4 職員の待遇改善
 夕張市職員の給料は期末手当を合算するとほぼ四割削減された。全国最低である。そして他方では、業務負担が増大して心身共に疲労し退職者が続いている。
 これまで、総務省は公務員給与の均衡を理由に全国の自治体給与に干渉してきた。しかるに今、総務省管理下で実質強制によって給料格差を生じさせているのである。
 極端に低下させた市職員の待遇を戻すべきである。

5 希望の杜・夕張診療所との提携
 老齢者が増えていく夕張である。
夕張再生の方向は「健やかに楽しく高齢者が暮らせる夕張」の実現である。
 医療と福祉と保健が一体になった夕張が未来像である。
 それには「希望の杜・夕張診療所」と「市民・市役所」との信頼提携が不可欠である。
夕張再生ー政策提言公開討論会
(カテゴリー: 政策提言
政策提言公開討論会
  「夕張再生を如何にして実現するか」を開催する。

     日 時 2009年2月15日(日) 13時~16時
     会 場 北海学園大学4号館10階第3会議室
     主 催 NPO法人自治体政策研究所

討論
1  夕張市の現状況は
2  夕張再生の主体は 
3  夕張再生の道筋は
4  市民と市行政との信頼関係を如何にして構築するか
5  市議会と議員に対する市民の信頼は -市民議会の実現
6  夕張市役所内に「再生市民室」を設置するー市民参画
7  債務総額353億の検証―北海道庁と中央省庁にも責任あり

討論参加者
    市民
    学者
    研究者 
    企業経営者
    弁護士
    民主団体役員

司   会  自治体政策研究所
現状報告  夕張市長

 討論によって夕張再生の提言をまとめる                

連絡先 札幌市中央区北4条7丁目5番地緑苑第2ビル410号 自治体政策研究所